柔らかな頬桐野 夏生

主人公カスミに共感したりいらいらしたり、嫌悪感さえ感じたり、そしてまた共感を覚えたり、そんなふうに読みすすんだ。
サスペンス、ミステリというより、ひとの内面をえぐるような、人間の心理を描いた小説。
夫とこどもたちの眠る、そのおなじ屋根の下で不倫の密会をし、その翌朝、5歳の長女が行方不明になる。罪悪感や喪失感、さまざまな思いから、現実を受け入れられず、何年もこどもを捜しつづけるカスミ。なににおいてもいなくなった長女が優先され、いまカスミのすぐそばで生きている次女は二の次。そこに、ガンで死期がせまり、その現実と折り合えずにもがく元刑事が絡む。
こどものいないわたしには、こどもを捜すカスミのきもちはわかりえないけれど、それでも、つねに現状から「逃げ」つづけ、「いま」を生きようとしないカスミにいらいらし、幼い次女のきもちを思って息苦しくなった。
なんでもかんでもつなげるなと言われそうだけど、過去に囚われいまを生きていない姿、そこから自分自身を見つめ、「いま」を生きようと変化していく過程は、ACのたどる道すじにも通ずる気がした。知らず知らず、カスミにシンクロしていたのかも。嫌悪感は、過去のわたし自身へのものだったのかもしれない。
ラストの長女の思いに、痛いほどに共感した。
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柔らかな頬 デラックス版

どうやら映画化されてるみたい。しかも天海祐希さんが主演!知らなかったー。
天海さんすきなので、見てみたいかも。
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