いじめの時間江国 香織 角田 光代 稲葉 真弓

ずーんとくる。胸の底のほうが重くなる。
まあ、いじめがテーマなんだから、ほのぼの、さわやか、なんてわけないんだけど。
大岡玲の「亀をいじめる」はとくにきつかった。けれど、強く響いた。わかる。わかってしまう。
「いじめいじめられる関係式こそ、生きる本質なのじゃないか。」
ヒトのなかにある黒い部分を思う。
そしてそれは、わたしのなかにもある。当然。認めたくなくても。
大岡玲というひとは知らなかったのだけど、このひとのほかの作品も読んでみたくなった。
いちばんすきで、いちばんやるせないのが、湯本香樹実の「リターン・マッチ」。
(以下ちょっとねたばれ)
この話のいじめられっこは、いじめたやつらひとりひとりに決闘を挑む。負けるのを覚悟のうえで。「自分の意思で始めたことなんだから、ひどい目に遭ったって納得できる」「ただいじめられるのとは、わけが違う」。この子がいい。このありかたがすきだ。
でも、そんなふうにこどもが自分のちからで闘っているところに、しゃしゃりでてくる母親。いらだたしさとも、なんともいえない感情がわきあがる。「こどものためを思って」なんてことばのもとに、結局は自分の満足がいくようにこどもを操る親。さけびだしそうな気持ちになる。
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